ニセ社員とは
あたかも消費者金融社員、銀行員かのように偽って詐欺を働く、そのようなことがあれば気が付くと思いませんか?ところがその方法は信用させるような手口です。
消費者金融の店頭窓口、ここに座っているのであればその消費者金融の従業員であることが分かります。しかし、消費者金融店舗の前にいたらどうでしょう?
- 掃除をするために出てきたのかもしれない…
- チラシを配布するために立っているのかもしれない…
- お客様を見送った後なのかもしれない…
自動契約機の中にいればどうでしょうか?
消費者金融の自動契約機は無人です。自動契約機はタッチパネルの端末機が設置されており、ATMを使うように利用します。
そして消費者金融担当者への直通電話が用意されておりそれを通してスタッフとの会話を行います。初めて消費者金融を利用する方は、自動契約機に誰かがいてもスタッフがいるのかもしれないと考えてしまうかもしれません。
さらに「いらっしゃいませ!」とでも声をかけられればどうでしょうか?
それがニセ社員であるとは微塵にも思わないはずです。
ニセ社員とはその名のとおり、消費者金融などの社員を偽って声をかけてきます。なぜ、ニセ社員を名乗る必要があるのでしょうか?もちろんニセ社員が融資を行うわけではありません。ニセ社員が狙っているもの、それはカードの情報です。
カードの情報をどのように使う?
これから初めて消費者金融を利用しようとしている方を対象としているだけではありません。パターンは2つあります。
- 初めての契約後、カードを受け取ったところを狙って声をかけるパターン
- 利用者がATMもしくは自動契約機に向かったところで声をかけるパターン
いずれの場合でも巧みな言葉を使ってカード情報を聞き出します。
- 過払い金をすぐに返還します
- 磁気不良を起こしていましたので確認します
- 暗証番号がわかりやすいものになっていないか確認いただいております
そもそもカードの情報を消費者金融の担当者が聞き出すことはありません。なによりも本人確認書類がなければ情報を照会することはできないこととなっており、逆に本人確認書類があれば消費者金融スタッフはカードの情報を聞き出すこともなく確認ができる状態です。
もう一つ、聞き出しのほかにも方法があります。スキミングというのを聞いたことがあるでしょうか?
カードの磁気にはさまざまな顧客データが記録されています。その磁気がなければキャッシングカードは利用ができないため「強力な時期の近くに置かない」ように注意喚起がされています。
その磁気からデータを読み取るスキマーという機械があります。スキマーさえあればその場でカードをスキャンして情報のすべてを抜き取ることができます。
それではカードの情報は何のために必要なのでしょうか?
スキミングされた情報は、別のカードの書き込まれます。つまり、同じカードがもう一枚誕生したことになります。
暗証番号も手に入り、カードも手に入った。そうなれば現金を引き出され、クレジットカードとして商品を購入して現金化もできます。
電話による怪しい勧誘
日本貸金業協会から委託を受けた業者が過払い金返還請求を勧めてきた。
実はこのような情報が寄せられています。日本貸金業協会とは内閣総理大臣からの認可を受けている貸金業自主規制機関です。実際に融資を行うこともなければ債務整理もおまとめローンも行うことはありません。委託も営業もありません。
http://www.j-fsa.or.jp/
日本貸金業協会に限らず消費者金融や銀行を名乗った勧誘電話も被害報告があります。誰しもが知っている金融会社名を出して油断させ、融資を行う方法です。これもまたニセ社員を語ったものであり最近増えている詐欺です。
その先にあるのは闇金融。正規の方法では貸し付けることができない闇金融があの手この手で引き寄せようと罠を張っています。
消費者金融は自動契約機や店舗の前で利用者から情報を聞き出すことはありません。一つ覚えておきたいのは「第三者へ債務の事実を知らせること」は貸金業法によって禁止されています。それは電話で家族に伝えることはもちろんのこと、周囲への配慮なく公衆が通る可能性のある場所でも同じこと。
- 店頭窓口の中にいる従業員が本物である
- 自分が電話を掛けた先にいる従業員が本物である
たとえ本当の従業員であったとしても「もしかしたら違うかもしれない」という可能性が少しでもあるのであればその場で回答する必要はありません。
自分からのアクションのみが真実である、それを覚えておきましょう。