クレジットカードの現金化は違法?
クレジットカードを使ってお金を作ることは簡単にできます。ネットで検索すると多くの業者がヒットします。厳密には違法とは言い切れませんが、カード会社の規約違反にあたるケースも多く、リスクは大きいと言えるでしょう。
クレジットカードでお金を作るのは危険?
ギフト券の現金化
クレジットカードでお金を作る代表的な方法がギフト券の現金化です。様々なギフト券がありますが、良く使われれるのはAmazonギフト券でしょう。
クレジットカードで簡単に買うことができ、ネット上でそのまま売却可能です。専門の業者もいるくらいに常態化した手段です。非常にポピュラーな方法として知られています。
ギフト券なら、おおよそ何でもクレジットカードで買うことが可能ですし、それを金券ショップに売ることができます。こうした商品券を購入して売却する行為そのものは違法ではありません。
結婚式の引き出物としてもらったギフト券の使いみちがなくて売る人も多くいて、まったく問題になったことはありません。
かつては新幹線の回数券がクレジットカードの現金化として良く利用されていましたが、あまりに転売する人が増えたためにクレジットカード会社で監視するようになった程度です。新幹線の回数券のレベルで浸透してしまうと、逆に大量購入などで不正利用を疑われることがあります。
そういう意味では、ギフト券をクレジットカードで買って売却するのは黒に近いグレーといったところです。あまり推奨できる手段ではないのは確かです。小遣い稼ぎ程度なら目をつけられることはありませんが、おおっぴらにやらないほうがいいでしょう。
現金化業者を利用する
「クレジットカード 現金化」などで検索すると多くの現金化業者がヒットします。こういったところを利用して現金化する行為が横行しており、問題化しています。
ショッピング枠の現金化というだけではあまり問題にならないように思われていますが、換金目的でクレジットカードを使用することは禁止されています。すでに逮捕者も出ていますし、思わぬ犯罪に巻き込まれるリスクもあります。
現金化といっても様々な手法がありますが、基本的には物品をクレジット決済することによって支払いを先送りにして、購入したものを現金に換える行為です。
それによって当座をしのぐ資金は手に入りますし、今すぐに現金が必要という人にとっては良い手段です。
個人が何か換金性の高い商品を買ってすぐに質屋に売ったり、ネットオークションに出したりして現金を手に入れるというやり方の延長線上にあります。最初の商品の購入をクレジット決済にしてするというだけです。
それを応用して、現金化業者では、指定した品物を購入してもらって、それを即現金化するというやり方で商売をしています。このこと自体は古物商の資格を持っている限りでは違法ではありません。利用者にカード会社の規約を破らせて儲けているわけですから、限りなくグレーな存在であることは確かです。
借金だけが残る構造になっている
ただ、この方法では必ず限界が来ます。目先の現金を得ることだけにとらわれていると、支払い日が来たときになって初めて「自分が欲しいものを購入したわけではない」こと、「クレジットカードで購入したものはすでに手元にない」ことなどに気が付きます。
また、買取金額はクレジットカードで購入した金額よりもずっと安くなっています。結果的には大きく損している計算になっています。10万円をクレジット決済して手元に残るのが8万円もないということは非常に多くあります。
8万円を借りるのに10万円を支払ったということは、利息として2万円を支払わされたということです。手にできるお金はすでに25%もの利息がかかっています。
そのため、結局は借金だけが残るという構造になります。使ってしまったクレジットカード枠は返済しない限り空きません。
あまり賢い方法ではないでしょう。確実性に欠けますし、カード会社の利用規約違反ですし、しかも高金利です。
詐欺にあうリスクがある
クレジットカードで買った商品を質屋のように買い取るという業者がいます。商品買取方式と呼ばれる方法で、古典的なやり方です。
利用者は業者が指定するブランド品や電化製品、パソコンなどをクレジットカードで購入します。その商品をすぐに現金化業者に買い取ってもらいます。
この場合、現金化業者に商品を発送したのに買取代金がいつのなっても振り込まれないという詐欺にあうリスクがあります。
また、最初は8万円で買うと言っておきながら、商品に傷が付いているなどと難癖をつけて安い料金で買い取ることもします。
手早く現金化できる方法にAmazonギフト券を買い取るという方法もありますが、これはもっと危険な場合があります。Amazonギフト券は、クレジットカードで購入したらメールでコード番号を送付するという仕組みになっています。
メールのやり取りだけで手続きが済むので最短で当日振込の可能とうたっている業者が数多くあります。これもギフト券のコードを送付したのに、買取代金を振り込んでもらえないという詐欺が多発しています。
業者とすると、パソコンひとつで捨てアドレスを使えばいいだけですので、いいカモになってしまいます。
現金化業者を利用すると損するばかり
クレジットカードの現金化業者に購入させられる商品には、実際にはまったく価値がないような情報商材やパワーストーンなどもあります。合法を装うために客観的な価値が分かりにくいものを使います。即金でお金を手に入れることができても、購入した代金を考えるとかなりの損をしています。
たとえば、あるクレジットカード現金化業者は買取金額を70%に設定しています。10万円が必要な場合には14万円分の商品を購入しなければなりません。消費者金融業者のカードローンなら、10万円借りたら1ヶ月後に1万円ずつ返済すればトータルで11万円ほど返済すれば済みます。
10万円手に入れるのにかかるお金が14万円と、10万円を借りて11万円を返済するのでは、まったく違うはずです。ところが、目先の現金に心を奪われてその計算ができなくなってしまっています。
10万円手に入れるのに14万円かかるというのは、利息制限法を大きく超えています。出資法の限度でも年率は20%です。単純化して考えると、10万円手に入れるのに14万円かかるのは、利率40%にもなります。
「クレジットカードの現金化」という分かりやすい言葉で勧誘しているに過ぎず、実際には闇金業者並みの悪徳です。
利用規約で禁止されている
忘れてはならないのは、クレジットカードで購入した商品を買い取ってもらって現金に換えるというのは違法ではありませんが、クレジットカード会社では現金化目的の購入は禁止されているということです。
古くからこの手法は存在しており、カード会社でも問題視されたことがありました。今ではほぼすべてのカード会社で現金化は禁止されています。もし発覚したら、カードは利用停止になり、規約違反をした者としてブラックリストに入ってしまう可能性が高いです。
詐欺に巻き込まれても、補償は受けられませんし、逆に発覚して利用停止にあうだけです。クレジットカード会社から悪質な行為を繰り返していると判断されると、クレジットカードを作ることができなくなり、消費者金融業者や銀行からもまったくお金を借りることができなくなる恐れがあります。
お金に困っているといっても、現金化業者を利用するのは控えましょう。自分で何かをクレジットカードで購入して自分の力で転売するのも、ギリギリの行為です。
発覚しにくいというだけですので、おおっぴらにやらないようにしましょう。業者を利用するのもアウトだと考えましょう。
クレジットカードを使って自分で転売してお金を作る
あくまで自己責任
クレジットカードで商品を購入して、それを自力で転売するのも、実際にはギリギリでアウトです。一時期換金率が良いことから、新幹線のチケットをクレジットカードのショッピング枠で購入してそれを転売するという方法が流行したことがあります。
あまりに多いため、カード会社からのチェックが厳しくなるという結果を招いています。転売が発覚した場合には高確率でカードが利用停止になります。新幹線の回数券を購入すると、カード会社からの独自の調査が入ると言われています。
クレジットカード会社からすると、現金化は融資に等しい行為です。返済能力の審査をしていない人に融資をしていることになるので、現金化行為は取り締まりの対象となります。
あくまで自己責任として考えましょう。新幹線チケットは非常に高額で換金できて、買取相場も安定していますが、高確率で転売は発覚します。
ゲーム関連商品
ゲーム関連の商品は高価での取引が活発なもののひとつです。安定して転売できる商品と言われています。カード会社からもあまり目をつけられることがありません。チェックは皆無に近い状態です。
1回であまりにも高額の商品を買いすぎるとチェックされてしまいますが、一般的にゲーム機本体を始めとしてゲーム関連商品が元から価格が高いものが多いため、カード会社もチェックしきれていないというのが現状でしょう。
ゲーム関連商品のメリットは買いやすく売りやすいという点にあります。ただし、換金率は70%程度です。換金率があまりに低いためチェックされることが少ないとも言えます。
マニア向けのものを探し当ててレア商品をゲットできれば額面以上で売れることもあります。
たとえば最新のPS4を新品でAmazonで3万6000円で購入すると、このまま新品で売却すると高いところで3万1500円程度になります。低いところでは2万5000円程度で1万円もマイナスになってしまいます。もっと高額を現金化しようというなら、他のゲームも選択しなければなりません。
ゲーム市場の相場を調べて、どこなら高く買い取ってくれるのかを自分で調査する必要があります。元々ゲーム好きの人なら苦にならないでしょう。手間は惜しまないという人には取り扱いやすい転売商品と言えます。
金や宝石
貴金属や宝石なども転売することが可能です。換金性が高い商品であるため、派手に買い付けるとカード会社からチェックされることが多いと言われています。
貴金属やブランド品を買ってきた実績がある人なら不審がられることはありませんが、それまでカードの利用実績があまりなかったり、生活用品ばかり買ってきたりした人が手を出すとすぐにチェックの連絡が入ります。
カード会社は転売を疑うときに調査のために電話連絡を良くしてきます。ひとつには利用規約違反の現金化を疑っている場合があり、もうひとつにはカードを利用した犯罪に巻き込まれていないかを確認するためです。
それまで生活用品や安い品物ばかり買ってきた人が、貴金属や宝石をいきなり購入すると、「これは本当にお客さんが買われたのですか」と聞いてきます。
現金化で安定しているのは金(ゴールド)やプラチナです。宝石は相場が不安定なため、現金化は困難です。30万円のダイヤモンドを購入した人が、そのまま質屋に持っていったら査定額がたったの5万円だったとネットに書かれていたことがあります。
金やプラチナの場合には買うときと売るときの相場がおおよそ決まっていますので、確実性が高いでしょう。最も現金化に適しているのは「金地金」ですが、これをクレジット決済するのは困難です。加工したネックレスやブレスレットということになります。換金率は良くて70%程度です。
ブランド品
最もポピュラーな現金化の手法がブランド品でしょう。いわゆる現金化業者も良く使う商品です。現金化業者の悪徳商法に引っかかるくらいなら、自分で買って自分で売ってみましょう。
安定しているのはルイ・ヴィトンです。これ以外のブランドは流行の波があり、一時期は爆発的に売れるが、いったん売れなくなるとまったく価値が出ないといこともあります。
ブームだと思って10万円で買った商品が売るときには3万円程度にしかならなかったということが良く起こるのがブランド品です。
ブランド品として有名なエルメスですが、需要は高いものの売買の相場は上下動が激しくプロでない限り、取り扱いは難しいと言われています。その点でルイ・ヴィトンは安定しています。
ただ、このブランドの商品も換金性が高いため、急に買い始めるとカード会社のチェックも入りますので注意が必要でしょう。
また、ルイ・ヴィトンといっても人気商品も不人気商品もあります。流通している数が少なくてレアな人気商品なら定価の90%という高い換金率が実現しますが、それ以外の一般的な量産商品は50%程度しか換金できません。
売れそうな商品だと思って大量購入すると、高い確率でカード会社からは目をつけられます。注意しながら換金しましょう。
せどり
「せどり」とは転売全体を指す言葉です。良くあるのは専門書を安く買って高く売るというやり方で、典型的なせどりです。当たれば買った価格の2倍もの値段で売れることもあります。
せどりは基本的にジャンルは構いません。クレジットカードで買うことができて、高く売れそうなものを探してきてネットや専門店に高く売るのがせどりです。
そのジャンルに詳しく、目利きができればそれだけで食べていけるくらいですが、目利きができないと単なるギャンブルになってしまいます。自分が詳しいジャンルでこれなら価値が分かるというものを選びましょう。
せどりで儲けられるものには、専門書籍、CD、アナログレコード、アニメグッズ、ゲームソフト、VHSビデオ作品などがあります。
アニメ関連商品は安く買えて高く売れる商品の典型的な商品です。マニアならどれだけお金を出しても欲しいという商品を見つけくれば商売になります。
パソコン
パソコンは、新幹線の回数券と同じレベルと言っていいくらいに、転売では知られた存在です。自分で現金化というよりも業者間での現金化に近いものですが、素人でもできます。
というのも、最近は様々なメーカーのパソコンが普及して機能面での開発も盛んなため、数多くの商品があるからです。
パソコンを取り扱うメリットは、ごく普通の商品なのでクレジットカードが止まるというリスクがほとんどないことです。宝石や貴金属、ブランド品に比べると格段に日常的な商品です。ただ、うまくやらないと換金率はとても悪くなります。
売買の配送手続きにも手間がかかりますし、買い手がつくのに時間がかかって即日の現金化が見込めないというのもデメリットです。
良く使われる手法が、大型家電量販店のセールです。抽選で買うことができるような激安パソコンを高額で転売するということも可能です。大きなチェーン店のオープンセールには目玉商品があり、これを利用すると簡単に高い換金率を実現できます。
クレジットカードでお金を作るならキャッシング枠をつけよう
クレジットカードでお金を作るのに最も手っ取り早いのが、キャッシング枠が付帯したカードを新たに作ることです。金融では「増枠よりも新規」と言われるくらいに、新規の申込者には甘い傾向があります。
特に、マイナーなカードは新規の顧客を獲得するのに努力していますので、思いもよらないほどスペックの高いカードが作れることがあります。
イオンカード
いわゆる流通系と呼ばれるカードは審査が若干甘い傾向があり、狙い目と言われています。そのなかでもイオンカードは主婦層がメインターゲットであるため、審査は柔軟で通りやすいカードです。
発行スピードは若干遅いですが、しっかりキャッシング枠が確保できる可能性が高いです。注意したいのは、イオン銀行に口座を開設しなければならないという点です。逆にすでに口座開設してあれば審査はすんなり通ることが多いです。
条件を満たせばゴールドカードが無料で手に入るという点はメリットでしょう。条件は様々で複合的に判断されますが、キャッシング枠も増枠になります。
年会費 | 無料 |
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発行スピード | 約1週間 |
限度額 | 10万円から |
主な特徴
- 申し込み資格→18歳以上、本人または配偶者に収入があること。
- 職業→高校生を除く。
- 特典→WAONチャージでポイントが2倍・イオンシネマの映画料金がいつでも300円割引、イオン銀行を給与振込口座に指定するとポイントプレゼント
Yahoo!JAPANカード
流通系のカードで、銀行系のカードに比べて作りやすいと言われています。比較的審査がゆるめで持ちやすいカードです。キャッシング枠は基本的に50万円までで、金利は年率18%と標準的です。ネットキャッシングが可能で、全国のコンビニのATMでもキャッシングできます。
比較的審査は柔軟です。年収が200万円以上、信用情報に傷がないといった基本的な条件を満たしていれば審査に通る可能性があります。
年会費 | 無料 |
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発行スピード | 約1週間 |
限度額 | 査定により決定 |
主な特徴
- 申し込み資格→18歳以上で安定継続した収入があること
- 職業→高校生を除く。
- 決済ブランド→VISA、Master、JCBから。
- 特典→TポイントカードとしてTポイントを使うことが可能。
エポスカード
大手百貨店のマルイが発行するクレジットカードで、若い世代向けに設計されており、審査も柔軟です。ネットで申し込みして、マルイのカード発行窓口で受け取ると即日で手に入れることができます。キャッシング枠はあまり高額は期待できませんが、付帯する確率が高いため狙い目です。
エポスカードはゴールドカードの年会費も無料という珍しいカードのひとつで、ゴールドになれば利用枠もそれに連れて増枠になります。
年会費 | 無料 |
---|---|
発行スピード | 窓口で即日 |
限度額 | 10万円から |
主な特徴
- 年齢→18歳以上で本人または配偶者に収入があること。
- 職業→高校生を除く。
- 決済ブランド→VISAのみ。
- 特典→加盟店での割引サービスあり。ATMの利用手数料が無料。
まとめ
クレジットカードでお金を作るなら、まずはキャッシング枠を付帯できるかどうか考えましょう。自力で商品を見つけて購入して転売するという方法もあります。現金化業者はおすすめできません。